Home > 2010年09月

2010年09月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • Comments (Close): -
  • TrackBack (Close): -

St.James Story Part 3

st.james old tagg

セントジェームスのバスクシャツをはじめて日本に輸入し、紹介したのが
現在の日本総輸入元代理店の社長、細貝氏である。
1970年代後半、当時はヨーロッパからのインポートアイテムは希少でめずらしく
好奇心や興味をそそる存在でもあった。特にフランス物はアメリカやイギリス物
にない独特の上品さがあり、ひと際おしゃれ感を漂わせていたように思う。
同じ頃、細貝氏のお兄さんが日本に最初に持ち込んだのが同仏のエスパドリュー。
他にはピカデリーのストレッチジーンズやシピーといったブランドも輸入され始めた
時期だと記憶している。

私が最初にセントジェームスのバスクシャツに出会ったのは六本木・交差点に近くに
あったアウトポストというお店で、もちろん日本で初めて取り扱った老舗中の老舗
である。その後、近くに移転したといううわさを聞いたが、今も現役の元祖セレクト
ショップである。当時はまだカラー展開が少なく、生成りxネイビー、紺x生成り、
生成りxサックスぐらいしか店頭になかったと思うが、はじめて目にした時の印象は、
生地の風合い、色合いといい、独自の雰囲気をもった洋服の表情に感動させられた
記憶が今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。
長年洋服にたずさわり、数えきれないほど膨大な量の服達を見てきても、なかなか
感動に値する製品に出会えるなどということは、ごく、ごく稀なのである。
セントジェームスのバスクシャツが持つ独自の風合いや色合い、雰囲気や細部に至る
表情までは、日本や他国の優秀な生地メーカーや縫製工場がどんなに努力して似たような
製品を作っても追いつけないのが、名品の名品たる所以なのである。

その時々の流行の変化や時代背景によって多少の波はあるものの、これだけの
ロングセラーを続け老若男女を問わず愛され続けているカットソーブランドは、
私の知る限りでは存在しない。まさに永遠の定番と言われるにふさわしいアイテム
なのである。

St.james OUESSANT Basque Shirt ¥9、450
  • Comments (Close): -
  • TrackBack (Close): -

St.James Story Part 2

charlotte  picaso

St.James(セントジェームス)を代表する定番アイテムにはOUESSANT(ウエッソン)
という長袖ボーダーのバスクシャツと、もうひとつ、NAVAL(ナバル)と呼ばれる
上画像の肩抜きタイプのものがある。
NAVALとは直訳すると海軍のことで、文字通りSt.James社やORCIVAL社などが,
フランス海軍向けに生産、供給していたユニフォームである。
こんなお洒落なアイテムを水兵さんだけに独占させておくてはないと普段着に取り入れた
のが画像左のシャルロット・ゲンズブールや画像右のピカソ、他、ジェーン・バーキンや
ジャンポール・ゴルチェなど。
著名なスターやアーチスト達に愛用され、ファッションアイテムの定番としての地位を
確立したのである。

画像右、ピカソの写真はフランスの写真家、ロベール・ドアノーの作品。テーブルの上の
パンを指に置き換えた構図はピカソのアイデアらしく、何ともユニークで斬新なポーズだ。
ドアノーは古いパリの街並みの風景や、その中に生活する人々や背景を独自の視点で
とらえた興味深い作品が多く、機会があったら洋書店で一度写真集をご覧いただきたい。
画像左に写っているのはシャルロット・ゲンズブール。ゲンズブールとバーキンの娘さん。
1985年のフランス映画「なまいきシャルロット」のポスターで希少で大切にしている私物
の一つでもある。
実は何年か前に、このポスターのメトロ版(パリ地下鉄の駅構内に貼ってある身長を
越える程の大判サイズ)を探してパリじゅうを駆けずり回った事がある。
複写の普通サイズのものは日本でも手に入ったがオリジナルのメトロ版は絶版になっていて
入手が困難なことは覚悟の上で、クリニャンクールの蚤の市に始まり、パリ市内の映画専門
のポスター屋さんをくまなく探しまわった。手に入らないとなると余計に欲しくなってしまう
のが人間の心理というやつで、でもまあ、それも旅の楽しみと目的の一つでもあった。
散々探しまわったあげく、最後に立ち寄ったパッサージュ・ジュフロアのポスター屋さんで
偏屈を絵にかいたような店の主人にダメもとで尋ねると、小さめのオリジナル版を出してきた。
小さくてもオリジナルは希少なので1枚購入し、もっと大きいメトロ版はないかとさらに尋ねると
しばらく沈黙し、ないこともないよともったいぶった答えが返ってくる。
骨董屋や古道具屋によくありがちな駆け引きというやつだ。
奥の棚の引き出しから丁寧に大判ポスターを最後の1枚だと言ってそっと差出し見せてくれた。
多分、法外な値段をつけてくるだろうなと高を括っていたら、意外にも350フランだったので
即決で購入した。日本円にして約9500円なら苦労して探しまわった甲斐もあろうというものだ。
偏屈そうに見えた主人は打ち解けると、ゲンズブールのポートレートをお土産だと言って一枚
プレゼントしてくれ、店をあとにする際、笑顔で挨拶を交わしてくれたのが今でも強く印象に
残っている。

パリの街にあるパッサージュは18世紀末から19世紀にかけてセーヌ川右岸地区に造られた
ガラス屋根で覆われた歩行者専用のアーケード街で、大通りによって囲まれた街区の隙間に
抜け道のように張り巡らされ、現在パリ市内に20ヵ所程が現存していて、19世紀パリの面影を
色濃く残す空間として今でも、パリに暮らす人々や多くの観光客の人気スポットになっている。

国立図書館のすぐそばにあるパッサージュ(ギャラリー・ヴィヴィエンヌ)はルイ・マル監督の
映画「地下鉄のザジ」(1960)の中で田舎からパリの街へやってきた主人公の少女ザジが追跡劇を
繰り広げるシーンにも登場する夢のように魅惑的な空間でもあるのでパリ観光には欠かせない。

話はパッサージュに張り巡らされた横道へと逸れてしまったが、フランスには去りゆく流行とは
無縁の奥深い魅力的なものがたくさんあるような気がする。今回取り上げたNAVAL(ナバル)も
その一つだが、それはその地域に古くから根付いていて、いつの時代にも色褪せることなく
普段着として愛されているアイテムの一つなのだと思う。

次回へと続く....。

 【地下鉄のザジ】 Zazie en el metro (Louis Malle)

  • Comments (Close): -
  • TrackBack (Close): -

Home > 2010年09月

Recent Comments
Recent Trackback
Search
Meta
Links
Feeds

Page Top