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2012年07月

SUMMER SAMBA

stacey kent


          日傘くるくる 僕はたいくつ

          日傘くるくる 僕はたいくつ

           ルルルー...


真夏がやってくると決まって思い浮かぶ、このフレーズとメロディー。
はっぴーえんど、のアルバム「風街ろまん」の中の(夏なんです)。
'70年代はじめ、日本の高度成長期まっただ中に発売された名作中の
名盤アルバムと言っていいと思う。

この歌詞の中に登場するビー玉をはじく少年達や鎮守の森の情景は
まさに自分の少年期の映像とぴったり重なり合う。
移ろう季節の中で真夏の思い出や匂いの記憶は特に鮮やかに印象に
に残っているものだ。
夏休み、小学校のプールの帰り、カルキの匂いを鼻の奥にツンと残し、
日焼けや泳ぎ疲れた後の独得の気だるさを感じながら、かんかん照り
の中を家路へと向かう。
その途中、造り酒屋の蔵工場の中を近道して帰るのが日課だった。
ほんのり漂う日本酒の香りにひんやりと涼しさを感じて、いつのまにか
お気に入りの勝手知ったる帰路のコースになっていた。
普段は無人なのだが、たまに白衣と白いゴム長を身に付けた従業員
らしき人がいても、子供なのだと大目に見ていてくれていたのだろう。



       木々や緑につつまれた海辺の避暑地で

    ゆるやかに揺れるハンモックに身をまかせながら

       ステイシー・ケントのサマーサンバを聴く

    遠くに聞こえる波の音と 時折りそよぐやさしい風が

       いつしか心地よい眠りへと 誘い込む

            究極の 夏の贅沢




Stacey Kent(So Nice) 




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Dianne Reeves (Triste)

triste


ブラジル音楽を聴くには最適な季節になった。
浜辺に打ち寄せる波を連想させるダイアン・リーブスの「Triste」
涼しげなメロディーラインと澄み切ったサウンドとは対照的に
汗だくで熱唱する彼女のステージが印象的だ。

ライブやコンサート会場での音響は、歌い手や楽器の演奏者にとって
その日の乗りや、出来、不出来を左右する重要な役割である。
もちろん、それは聞き手にとっても同じことで感動的な歌や演奏が
ベストな状態で聞けるかどうかを期待するところでもある。
観客のいないリハーサル会場での音の響きと、満席状態で人に吸収されて
しまう音響を計算した緻密なミキシングが必要とされる。

貸切り状態での銭湯や、静まりかえった夜の体育館などで歌うと格別に自分が
上手くなったように感じ、その心地良く響きわたる快感さは、この上ない。
ライブでのステージ上に聴衆を背に、歌い手側に向けて置かれた返しのスピーカーや、
最近ではイヤフォンタイプの返しのモニターを使っているシンガーも多い。
つまり、シンガーや演奏者にとって、ライブ中の最高の舞台セッティングとは、
声援や雑音などのない、きわめて静寂で自分の声が澄み切ってクリアに響き聞こえ
わたる状態なのである。
よく声援や騒音が多いテレビ中継や生のライブ会場で、普段とても上手なプロの
歌手が、アレっと音程を少しはずしたり、今日は調子が今一と感じてしまうのは、
そういった原因があるからに他ならない。

極端な例ではあるが、ボサノバ歌手の第一人者と言われるジョアン・ジルベルトの
コンサートは季節を問わず会場の空調まで全て止めてしまう程の徹底ぶりである。
ご想像どおりステージ上のジョアンも夏のコンサート時は汗だくで歌い、演奏し、
もちろん聴衆もサウナ状態で終わりまで付き合うことになる。
そこまでしなくてもと、お思いの方も多いのではと推察してしまう所ではあるが
ジョアンの熱烈なファンにとっては、それが彼からの最高のおもてなしであり、
最上のサービスなのでもある。
囁きかけるジョアンのやさしい歌声と静かにつま弾かれるギターの美しい音色、
ブラジルに降り続く「3月の水」に、ひたすら聴衆は酔いしれるのである。



Dianne Reeves (Triste) 


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